ウォーターサーバーの宅配水(天然水とRO水)はメーカーごとに採水地や処理方法が違い、含まれるミネラル成分の種類や量など様々です。
ここでは、宅配水をミネラル成分の含有量やPH・硬度などで比較しました。
【比較表】宅配される水のミネラル成分や硬度
【PH】中性:6.0~8.0、アルカリ性:8.1~【硬度】軟水:~60mg/L、中硬水(中軟水):61~120mg/L
※1リットルあたりの成分で換算しています。
※比較表の各項目をタッチすると並替できます。最初は硬度が高い順で表示しています。
▼表が途切れている際は横スライドさせて下さい▼
水の硬度、硬水と軟水の違い
水の硬度について
硬度は、水1Lあたりの「カルシウム」と「マグネシウム」の含有量によって算出されます。
WHO(世界保健機関)が定める基準では、硬度が0~120mg/l 未満の水は「軟水(軟水、中硬水)」、硬度が120mg/l以上の水は「硬水(硬水、超硬水)」とされます。。
硬度の計算式=『カルシウム(mg/L)』×2.5+『マグネシウム(mg/L)』×4.1
軟水 | 中硬水 (中軟水) | 硬水 | 超硬水 |
---|---|---|---|
硬度 0~60 mg/L未満 | 硬度 60~120 mg/L未満 | 硬度 120~180 mg/L未満 | 硬度 180 mg/L以上 |
硬水(こうすい)の特徴
硬度120mg以上が硬水とされ、ミネラル成分でもある「カルシウム」と「マグネシウム」を多く含みます。
硬水はヨーロッパなど海外の水に多く、その理由は山から海まで傾斜のゆるやかな地形が広がり、ミネラル豊富な石灰層をゆっくりと時間をかけて通っていくからです。
ミネラル成分が水の美味しさを引き立て、味わい深くまろやかにしますが、硬度が高くなると、逆に飲み口が重く癖がでて飲みづらくなります。
メリット
- ミネラルを効率よく摂取できる
- 洋食の煮込み料理などにおすすめ
硬水は、お肉を煮込む料理などに最適で、余分なたんぱく質を「あく」として抜き出し、柔らかく仕上げることができます。
ヨーロッパなどに多い水なので、基本的にはイタリアンなどの洋食に相性がいいです。
デメリット
- ミネラル成分が多いと、飲みづらくなる
- 和食の調理には不向き
和食の調理に使用するのは不向きです。
昆布やかつおのだしを取る際に、うま味成分の抽出を阻害してしまいます。
また、硬水でご飯を炊くと固くパサパサな炊き上がりになります。
洋食のパエリアなどには、パラパラとした仕上がりになるのでおすすめです。
軟水(なんすい)の特徴
硬度120mg未満が軟水とされ、日本人が慣れ親しんだ水になります。
軟水は、日本料理に適していて、独特の風味やクセがないので飲みやすく、日々の水分補給に最適です。
お腹や胃腸の弱い方も安心して飲むことができ、赤ちゃんの粉ミルクづくりにも使えます。
メリット
- 味にクセがないので飲みやすい
- 和食の調理におすすめ
- ドリップコーヒーや日本茶を美味しく淹れられる
- 赤ちゃんの粉ミルクにも使用できる
軟水は和食の調理に相性抜群です。クセがないため、素材の風味を存分に活かすことができます。
ドリップコーヒーに使えば、豆本来のよい香りとさっぱりとした味を楽しめ、緑茶との相性も良く、旨味や渋みをバランスよく出すことができます。ただし、硬度が低すぎると、苦渋味を強く感じてしまいます。
赤ちゃんの粉ミルクづくりにも、軟水が適しています。
内臓の機能が未発達の赤ちゃんには軟水の天然水か、RO水がおすすめです。
デメリット
- ミネラル成分を効率よく摂取できない
ミネラル成分を少しでも効率よく摂取したい方は硬度が高い硬水がおすすめです。
ウォーターサーバーの「天然水」と「RO水」の違い
宅配されるウォーターサーバーの水は主に、「自然のミネラルを含む天然水」と、「不純物を徹底除去したRO水」があります。
またRO水には、ミネラルを配合して飲みやすくしたものもあります。
天然水とRO水の比較表
天然水 (軟水) | RO水 | |
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ミネラル配合 | 純水 | |
メリット | ||
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デメリット | ||
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こんな人におすすめ | ||
水をよく飲む。 | 美味しさほどほど、安さも重要。 | 安さにこだわりたい。 |
原水 | ||
地下水 | 水道水・河川・地下水 | |
処理方法 | ||
ろ過、沈殿、加熱殺菌 | 逆浸透膜(ROフィルター) | |
代表的なウォーターサーバー (クリックするとメーカー詳細ページに移動します) | ||
天然水とは
山頂の雪解け水や雨が、大自然の地層によって長い年月をかけてろ過されてできた地下水です。
ろ過される際に、自然の豊富なミネラル成分が溶け込み美味しい天然水になります。
メーカーごとに採水地(採水工場)が違い、ミネラル成分の含有量も様々です。
ウォーターサーバーの天然水は「ナチュラルミネラルウォーター」に分類されます。
RO水(逆浸透膜水)とは
RO水は、0.0001ミクロンの極小フィルターROフィルター(逆浸透膜)でろ過された、不純物の除去率99.9%の純水です。
原水は水道水・河川の水・地下水などを使用していますが、不純物がほぼ含まれない純水にろ過されるため、原水を選びません。
ですが、水の美味しさの素であるミネラル成分も同時に除去されるため、処理後にミネラル成分を配合させ飲みやすくした軟水のRO水もあります。
RO水は「ボトルドウォーター」に分類されます。
ミネラルウォーターの4つの分類について
飲料水だけでなく、お米を炊いたり、料理に使ったり、日常の様々なところで活用されるミネラルウォーターですが、「ミネラルウォーター=天然水」ではありません。
農林水産省の「ミネラルウォーターの品質表示ガイドライン」では、以下の4つの分類に分けられます。
そのうち天然水は「ナチュラルミネラルウォーター」または「ナチュラルウォーター」で、RO水は「ボトルドウォーター」の分類です。
ナチュラルウォーター
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理をしていない水。
ナチュラルミネラルウォーター
「ナチュラルウォーター」うちミネラル成分が溶解した地下水を原水とした水。ミネラル成分を多く含む。
ウォーターサーバーの天然水はこちらに分類されます。
ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、ミネラルの調整、ばっ気(空気を溶け込ませること)や、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合などが行われた水。
ボトルドウォーター
「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」以外の水。
RO水はこちらに分類されます。
(参照元:ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン(H2.3.30農林水産省局長通達 食流第1071号))
ミネラル成分とpHについて
宅配水に含まれる代表的なミネラル成分
カルシウムについて
カルシウムは、骨や歯を形成するのに必要な成分です。
カルシウムが多い硬水は飲み口が重たく感じますが、ウォーターサーバーの水のほとんどは軟水です。
カルシウムの量が多くても、まろやかに感じる程度で飲みやすいです。
ナトリウムについて
ナトリウムは食塩にも含まれる成分で、汗などと一緒に失われます。
ナトリウムが多過ぎると海水のようにしょっぱく感じますが、ウォーターサーバーの水に含まれるナトリウムの量で、しょっぱいと感じる事はまずありません。
マグネシウムについて
マグネシウムはカルシウムと相性が良く、カルシウムと同様に骨や歯を形成する成分です。
マグネシウムが多すぎる水は苦みを感じることもありますが、ウォーターサーバーの軟水では苦みはありません。
カリウムについて
カリウムは細胞の浸透圧を調整する働きがあるミネラル成分です。
ナトリウムと一緒に汗をかくことで失われます。
酸性・中性・アルカリ性の数値pHとは?
PH(ペーハー、ピーエイチ)とは、水の水素イオン濃度のことで、数値によって酸性・中性・アルカリ性の3つに分類されます。
数値は0~14の間で表され、pH6.0以上 8.0以下が中性、pH6.0より低くなるにつれ酸性が強くなり、pH8.0より大きくなるにつれアルカリ性が強くなります。
人の血液のpHは、約7.35~約7.45の間で、ややアルカリ性に近い中性になります。
ウォーターサーバー水も中性または弱アルカリ性なので相性が良いと言えます。